2026/01/01
当会情報

令和8年新年ごあいさつ

新年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
また、平素より本会事業に格別のご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、我々中小零細企業を取巻く環境は厳しい状況が続いています。企業の倒産件は3年連続増加し、昨年度ついに11年ぶりに1万件を超えましたが、その多くが中小零細企業です。人件費、原材料費などの高騰に加え、極端な担い手不足が追い打ちをかけています。とりわけ経営基盤の脆弱な企業ほど厳しい局面に立たされているのが現状です。かつて世界経済をリードしGDPで世界2位に君臨した我が国も現在の4位からインド、英国に抜かれ6位になることが確実視されています。2040年には労働力不足が600万人とも1000万とも予測されており、外国人材、女性就労、シルバー人材だけでの問題解消は極めて限定的でありDX化による一人当たりの生産性向上が急務となっています。

 建設業界においても、同様の理由で小規模事業者の倒産や廃業が増加しています。特に3Kと言われて久しい職場環境の中、慢性的な人手不足に加えて、時間外労働の上限規制が本格適用され、工程管理の高度化や4週8閉所の定着など課題が山積しています。また、人件費や資機材価格の高騰は工事コストを大幅に押し上げ、建設計画の大幅な見直しや計画そのものの中止も全国各地で多発しました。今後もこのような状況が続くものと見られております。

 このような環境下、一般社団法人日本塗装工業会の会員数は3年連続で増加し、2,300社台を回復しました。また、会員全体の売上高は27年ぶりに1兆円を突破するとともに、1社当たりの売上高は当時の1.6倍以上となり、市場における付加価値創出の成果が感じられます。加えて、本会調査によると会員企業の技能者数はわずかに増加し、若年層の構成比率も 21% を超えました。昨年、インドネシアやベトナムに就職希望者への職種説明会のため本部役員が複数回足を運び、塗装のPRをしてまいりましたが、現地の若者たちの輝く瞳と前向きな姿勢には感激をしました。今後も処遇改善による成人男性の獲得に加え外国人材の雇用促進、女性就労支援という三位一体で担い手対策に取り組んで参ります。

 さて、昨年10月、経済紙で「ブルーカラービリオネア」という米国での技能工の待遇についての記事がありました。AIに代替されない技能工の厚遇での就労実態をリポートしたもので専門職種の重要性が高く評価されたものと言えるでしょう。一部産業同様に、我々専門工事業が発注者や顧客を選ぶ時代になることを予測する専門家もいます。しかし一方、労働集約的な分野で24時間365日作業し続けるフィジカルAI(自律型AI搭載ロボット)が登場するとされております。いずれにせよ、環境変化に対応した持続的経営を実現するため各事業者が自社の強みを見極め、独自技術・価格競争力・ニッチなどの特性を活かしつつも、親族に拘らない事業継承やM&Aによる規模拡大・多角化など様々な生き残り戦略の構築が求められていくことでしょう。

 新年を迎えるにあたり、我々塗装工事業が地域インフラの維持向上に不可欠な産業であることの責務を胸に刻み、高い技術・技能に裏付けられた全国47都道府県に支部のある我が国唯一の塗装工事業団体として、「希望あふれる塗装工事業」の実現に向け決意を新たにしております。皆様の一層のご理解ご協力をお願い申し上げます。

 結びに、本年が皆様にとって希望に満ちた一年となることを祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

一般社団法人日本塗装工業会
会長 加藤 憲利

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